ほんと、心配症なんだから。


去年の大晦日は。


年が明けるギリギリに、龍矢が帰ってきた。


今年は、一緒に夕ごはん食べたいな。


「あーあ。何しようかな?」


龍矢からは、外出禁止令が出てる。


また風邪引いたらどうすんだ。


毎日言われ続けてる。


もー耳にタコできそう。


あっ、そうだ。


お菓子でも焼こうかな?


広ーいキッチンをのぞくと、ここのシェフが料理をしているところだった。


「美和様、どうかなさいましたか?」


私に気づいて、声を掛けてくれた。


「あの、どっか貸してもらっていいですか?」