「そんなの、無理だよ。」


そう言って、美和は俺に抱きついてきた。


「あはは。顔真っ赤。」


「うるさいな。」


「怒るな。熱、上がるぞ。」


「龍矢が怒らしてるんでしょ?」


そんな会話をしながらも。


龍矢はどんどん歩いてく。


もーみんな見てるよ。


恥ずかしい。


「龍矢、重くない?」


「別に。」


なによ、別にって。


「俺がお前運べなくてどうする。」


「私は別に、困らないもん。」