「無理しなくていい。」


「えっ?」


車に乗って、半分くらい走ったとき。


龍矢が口を開いた。


「無理して背伸びしなくていい。」


「でも、それじゃあ・・・」


いつまでたっても、龍矢の隣には並べない。


私は、早く龍矢と一緒のレベルになりたいよ。


「俺にふさわしいって、どんなやつだ?美和の考えるふさわしいってなんだ?」


「それは・・・わかんない。」


「ゆっくりでいい。俺と一緒にいれば、自然に何もかも身につく。だから、美和は美和のままでいい。」


「・・・うん。」


「急がなくていい。」


「うん。」


龍矢に抱きしめられたら。


いっぱい、いっぱい、涙が出てきた。