「今日は先生と生徒じゃない。夫と妻だ。」


そう言いながら、龍矢は私の右手につけられていた指輪をとった。


その代り、本物の指輪。


「行くぞ。」


「うん。」


車に乗って、会場まで行った。


会場に入ると、そこには大勢の人がいた。


龍矢が出て行くと、一斉に拍手。


やっぱり、龍矢は偉い人なんだ。


あらためて実感した。


「私ごとですが、みなさんに紹介したい人がいます。」


龍矢がそう話し出した。


「美和様、そろそろ出番ですよ。」


結城さんにそう言われた。


「はい。」