「当たり前だろ。」


そう言って、私の唇を奪っていく。


「美和?」


「なに?」


「いや、何でもない。」


「変なの。行かなくていいの?」


「そろそろ結城が迎えに来る。」


「うん。」


「美和。左手、出して。」


「えっ?うん。」


私が手を差し出すと、龍矢がポケットから何かを取り出した。


「それ・・・」


「お前の結婚指輪。」


龍矢が私の薬指にはめた。


「いいの?」