「いい加減分かれ。」


「うん。」


「どんだけお前が大事か。大切か。」


「うん。」


「まったく。こんなこと言わせるの、お前だけだぞ。」


「えっ?」


顔をあげると。


龍矢の顔が真っ赤。


「見なくていい。」


そう言って、俺は美和を再び強く抱きしめた。


「龍矢、苦しい。」


「美和が悪い。」


惚れさせた美和が悪い。


文化祭終了の放送がかかった。


「戻るか?」