「うん。」


パタンとケータイを閉じた。


美和は何をあんなにパニクってたんだ?


なんかあったのか?


このとき私は、泣きそうな顔をしてたと思う。


自分一人じゃ抱えきれなくて。


龍矢に大丈夫だって、言ってもらわないと。


落ち着かなくて。


だから、出来るだけ急いで龍矢のところに向かったんだ。


トントン


社長室と書かれた部屋をノックした。


「どうぞ。」


中から龍矢の声がした。


そっとドアを開けると、そこには結城さんとか稲垣さんとかがいて。


龍矢が仕事をしてるってことが、一目でわかった。