龍矢。


お願い。


出て。


何回かのコールのあと。


「もしもし?」


龍矢の声が聞こえた。


「龍矢。」


「美和?どうした?」


「・・・会いたいよ。」


「なんかあったか?」


「わかんない。でも、会いたいよ。」


美和はなんとなく、パニクってた。


「会社にいる。」


「行ってもいい?」


「社長室だ。」