部屋は、言われた通り綺麗で、そのままだった。

久しぶりに自分のベッドに潜り込み、何故だか少し嬉しくなる。

…敦志…あたし、逃げようとしたよ。

自分で扉を、開けられなかったよ。

結局、人に救われたよ。

また、助けられたよ。

ゴメン…逃げようとして、ゴメン…。

心の中で、こっそり敦志に謝った。

ちゃんとこの事を言おう。

結局、その扉は幸せな世界への扉だったって、言おう。

だから…もう逃げないって、ちゃんと。

ちゃんと、言おう。