……逃げ出してしまいそう。

今すぐ扉を開けて、中に入らないといけないのに。

まるでその扉がどこに通じてるのか解らなくて、躊躇うみたいに…

あたしは扉の前に一人立っていた。



……実際、どこに通じてるんだろう。

‘幸せな世界’に、通じてる？

また、前よりも苦痛な世界に通じてる？

あたしはこの扉を開けて、どうすればいい？

決心した筈なのに、いざ来てみるとその決心はもののみごとに崩れ落ちた。



…敦志には悪いけど…逃げ出してしまいたい。

あたしは、また同じ事を繰り返そうとしていた。