とか言いながら、

「またねがいい」

リクエストしてしまった。

「…またな」

少し暗くてよく見えなかった敦志の顔が、明かりに照らされてはっきり見えた。

目を細めて優しく微笑んでいる。

喧嘩の強い男の手が、あたしの頭をぽんぽんと撫で叩く。

「また…ね」

いつもより別れが寂しい。

名残惜しそうにしながらも、あたしの頭から離れた大きな手。

振り返って歩いて行く敦志の後ろ姿を、見えなくなるまで見つめていた。

「…またね」