ホテルに戻って荷物をまとめた。

そのまま敦志と並んで家に帰る。

入った途端追い出されたりして…。

少しだけ、緊張してきた。

「ここ?」

「…あ」

標札を見て分かったんだな。うん。

名前まで書いてあるから、すぐ解る。てか、名前まで書くの危ないって聞いた事あるぞ。

「ここ…」

久しぶりの、‘家’。

あたしの部屋の、窓が見える。

「場所…ん、多分覚えた」

「有難う」

「…あ?」

「有難う」

敦志の笑顔に救われる…

「あー…、と…」

敦志が少し困った顔をしたから、あたしが何、って聞く。

「何て言えばいい?頑張れ?気をつけろ?バイバイ?」

「……馬鹿じゃねえの」

そんな事で、悩めるのか!