「あたし、両親いないから。事故で。だから今…世話になってないけど世話させてやってた家が、親戚ともいえない遠い家で」

「……」

「あたし、嫌いなの。そいつらが。親、気取るから。あたしの親は、もういねぇのに!」

「……」

「耐え切れなくなって、家出た。あたし、見た目こんなんじゃん?」

そういって茶色とピンクの髪を指で触った。

「だから普通に十八以上でも怪しまれないし…でも…」

「電話かかってくんの。何回も!一回しか出なかったけど…あたし、ずっとこのままでいいのかなとか、大嫌いなのに緊急だったりしたらどうしようとか」

「美香」

話を遮られた。敦志は何故か立っている。