「そか!寒くなかった?俺のコート羽織っとけば良かったのに」

「別に」

正直寒かった。

「……」

何故か黙る敦志。

「…?…!!」

急に、あたしの両手を握ってきた。

「は?!…何?!」

「冷てぇ…寒かったんじゃん」

「…馬鹿じゃねえの」

「それしかいえねえのかよ」

笑う敦志。

胸の奥が締め付けられた。……何で?

てか…手!!!

「も、いいから!コート!」

あたしは無理矢理手を引いてコートを差し出した。

ああ、可愛いげ無い…。