さっきまであたしを狂わせていた張本人で。

さっきまで敦志にベタベタしてたあの女。

……まさかとは、思うけど。



「何でいんの」

敦志が少し呆れたような顔をしてる。

あたしは口出しなんて論外、ただぼーっと突っ立っていた。

トイレ女…改名してベタベタ女が、一瞬だけあたしを見た気がした。

「…気になったからついて来ちゃった」

「ついて来ちゃったって…お前なあ、」

「大丈夫だよぉ。あっちゃんにしかそんな事しないよぉ」

……自然にアピールしてやがる。

てか、やっぱり。まさかが当たった。

きっとこの女、‘ついて来た’んじゃない。

‘ツケて来た’んだ。

「ねぇ、あっちゃん、この人誰?」

敦志に甘えた声を出した後、またあたしを見た。

…見たというより、軽く睨まれた気がする。

あたしは負けず嫌いな上にただ傷ついてるほどお人よしじゃないから、そのまま睨み返してやった。

別にこの女にどういう印象を持たれようと興味ないから。

「彼女」

……。

‘彼女’…だってさ。