我ながらに。

結構二人で、仲良く帰れたと思うから。

幸せで幸せで。

あたしの家が見えた時なんて

悲しくて悲しくて。

でも敦志が玄関で。あたしの額に小さくキスを落としてくれたから。

拾ったあたしは

幸せで幸せで…



これがあの、属に言う、‘嵐の前の静けさ’ってやつだって知ったのは


少しだけ後の事。



「幸せだわ…俺」

小さく呟いて、あたしがつっこむ暇さえあたえずに

「明日な」

って笑ってくれて。

もうあたしどうなってもいいなんて思ってしまって。

まあそんな事思わなければ良かったと後悔するのももう少しだけ後の事で。

その時はただただ幸せだったから。

あたしも

「また明日」

って

言ってやった。