敦志は、元々保健室に行くつもりだったらしく、急いで中に帰っていってしまった。

……嬉しい。

明日から、なのかな?

夕方…会えるんだ…。

嬉しい。

さっきまでドキドキでいっぱいだった胸も、突然の『嬉しい』の侵入に、もうパンクしそうだった。

幸せで、バラ色だった。

浮かれてた。そして、そのまま家に帰った。



当然、気付かなかった。



二階の一教室の小さい窓から、あたしと敦志を見ていた人物に。

気付けるわけもなかった。