「どなたか、そこへ?」

不意に、笛の音が止み、静かな河原にあの方の声が凛と響きました。


「お邪魔をしたなら謝ります。
どうか、笛をお聞かせください」



私は、倒れそうになりました。
何故なら。

私は考えるより先に、そう、言葉に出していたからです。