「こころ~遊ぼ~!!」

美紗はいつものように心に声をかける。

「いまいくねー!!」

心は教室で読んでいた本を片付けると、靴を履いて外に駆け出して行った。

「心ちゃん、気をつけてね!!」

担任の先生が心配気に心に声をかける。

「だいじょうぶっ!!」

そんな美紗と心の仲を伝えてか、美紗の母親と心の母親も仲良くなっていった。

あっという間に1年が終わり、美紗と心は進級をした。

「こころ、またくらすいっしょだね!!」

「わあ、ほんとだ。またみさといっしょだあ。」

心は満面の笑みを浮かべた。

その年も、美紗と心はずっと一緒だった。

出会って以来、一度も喧嘩をしたことがない。

本当に仲良しだった。

その年の冬、何が起こるとも知らず、二人は笑顔を浮かべていた。