「おはなさん、いたいよ。」

幼稚園の庭に咲いている花を摘んでいた美紗に声をかけてきた女の子。

同い年の子の中でも一際小さな女の子。

それが心だった。

「おはなはしゃべらないよ。」

美紗はムスッとした態度で答えた。

「あなたも、ひっぱられたらいたいでしょ?」

私はカッとなったまま心に名前を尋ねた。

「わたしはあきもとみさ。あなたは?」

「わたしはたちばなこころ。」

これが私達の出会いだった。

この日を境に私達はいつも一緒にいるようになった。