「大賀…俺はお前が大嫌いだった。いきなり心を奪ってったから。俺ら4人の大切な時間を裂いたお前が許せなかった。けどお前が逝って、ひとつ気づいたことがある。お前はたしかに心から愛されてたんだ。心のこと、ちゃんと見守っててやれよな!」

凌空はそう言うと優しい顔をして自分の座場へ戻った。

それと行き違いに美沙が立ち上がり、遺影の下に向かった。

美沙は花を棺に入れると話を始めた。

「根性焼き…自分からやったわけじゃないけど、心の手を通してあんたからされたたばこの消し跡が今でも時々痛くなるよ。心を傷つけるのだけは許せなかった。だからあんたが大嫌いだった。でも、心はあんたがすきだった。あたし複雑だったわあ…。最後まで心のこと見守ってあげてよね。」

「大賀…心は俺が守るから安心しろよ!」

凌央はそう言って座場に戻った。

「少ないな!」

凌空がひそっと話した。

「いいんだよ。」

凌央が静かに言った。

同時に心が立ち上がった。

心は前へ出ると手に数珠をかけて話し始めた。