「心…。」

次の瞬間、心がお腹を抑えて苦しみ出した。

「うっ…痛い…!!」

「心…?!今、先生呼ぶから!!」

医師たちが来ると、心は再び手術台に連れていかれた。

美紗たちは、また外で待つことになった。
1時間くらいして、医師が出てくると、こう告げた。

「心さんは妊娠していたようです。」

「妊娠?!」

心の両親と美紗たち3人は飛び上がった。

「2ヶ月目を迎えるところだったと思われます。お腹の中で死んでいました。おそらく、屋上から飛び降りた時でしょう。心さんが落ちた場所は草木の上だったので、しばらくは赤ちゃんも生きていたんでしょう。」

「心には…」

「今、看護婦が説明していると思います。」

しばらくして、みんなで心の病室を訪れた。

心は泣いていたのだろう…目が真っ赤に腫れていた。