「お邪魔します…。」

「ゆっくりしていってね。」

心の母親はそう言ったが、本当は上げたくなかったに決まっている。

自分たちの娘を傷つけた男なんか…。

でも、心が好きになった人だから…心が許しを乞いてきたから…。

郁人は持ってきたプレゼントを心に渡した。

中には手紙と…ブレスレットが入っていた。

「郁人…このブレスレット…」

心が5歳の誕生日に美紗からもらったブレスレット…以前、郁人は心に暴力を振るった時、壊してしまった。

「色んなとこ行って、やっとそれ作った人見つけたんだ。」

「ありがとう…。」

そう言って心は手紙を開けようとした。

「そっちは待って!!恥ずかしいから1人になってから読んで!!」

「わかった。」

そう言うと心は手紙をポケットにしまった。

美紗からは真っ赤なハイヒール、凌空からはくまのぬいぐるみ、凌生からは映画のチケットをもらった。