「心…何してるのよ…っ!!」

美紗はその場で泣き崩れた。

トイレから戻ってきた凌空と凌生が美紗に気付いた。

凌生が合図を送ると凌空は3人分のかばんを持ち、3人は学校を後にして美紗の家に向かった。

美紗は泣き止むとゆっくり言った。

「心…探す。手伝ってほしい。」

凌空と凌生は強く頷いた。

夏の熱い日射しの中、3人は心を見つけるため必死に走った。

心は近くのバーにいた。

郁人と一緒に…。

「おいおい…中坊がこんなとこ…」

凌空がそう言っていると美紗は突っ込んでいった。

「心!!」

「美紗…!!」

「あれ?学校じゃねえの?」

美紗は心を見て怒鳴った。

「何たばこなんか吸ってるの!!」

美紗が心からたばこを取り上げると郁人はたばこを持っている美紗の腕を掴み上げると、心の手を美紗のもう片方の手に押し付けて消した。

「熱っっ!!」

「美紗!!美紗大丈夫?!ごめん…!!」

その光景を見ると、郁人は自分の吸っていたたばこを心の腕に押し当てて消した。

「あっつっ!!」

心の声とともに凌空と凌生も分け入ってきた。

「お大賀っ!!」

凌生が声を荒げた。

凌空は美紗と心に駆け寄った。

美紗と心の腕の手当てをしようとして、心の服をまくり上げた時、はっとした。

心の腕には青あざや根性焼きの跡がたくさんあったからだ。

お腹や背中にもたくさんのあざがあった。