そのままの早さで時は流れ、中学3年生になった。

空手の大会の優勝者は相変わらず心と凌生だった。

郁人も凌生には勝てないようで悩んでいた。

中3も夏くらいになると具体的な志望校調査が始まった。

「美紗~どこ行くの?」

後ろの席の岩瀬成美(いわせなるみ)が聞いてきた。

「多分A高。」

「i4で?いいなー選べてさ。あたしなんかどんなに頑張ってもC高だよ…。」

成美はうらめしそうに見ていた。

「そういえば最近、心と大賀君あんまり学校来てないね。美紗、何か知らないの?」

「さあ…?心は何も言わないから。」

美紗は愛想笑いをして教室を出た。