心はお茶に手を伸ばしつつ、もう一度凌生にたずねた。

「凌生、どうしたの?」

凌生はお茶を一口飲むと答えた。

「最近、あんまり一緒に話せてないからさ。」

「え?一緒にいるじゃん!!」

「いや…そうじゃなくてっ…!!」

「どうしたの?」

凌生は真面目な顔になると言った。

「大賀のこと…好きなの?」

心の顔から一瞬笑顔が消えたが、またすぐ笑顔になって言った。

「郁人のこと?好きじゃなかったら付き合わないよ。」

「そう…だよな!!」

凌生はそう言うとお茶を飲み干し、お菓子を持って立ち上がった。

「なら、帰るわ。悪かったな、邪魔して。」

「ううん。またきてよ。」

そう心に言われ、微笑を返して帰路へとついた。