「好きだから一緒にいるんじゃないの?」

美紗が当たり前のような口調で答える。

「そうじゃないよ…。」

凌生はそう言い残すと足早に一人で帰っていった。

その夜、凌生は心の家に行った。

「凌生…!!どうしたの?とりあえず上がって!!」

凌生は心に促されて家の中へ入った。

「お邪魔します。」

「あら、凌生じゃない。どうしたの?」

心の母親がリビングから顔を出した。

「こんばんは。ちょっと話すことがあって。お邪魔していきます。」

凌生と心は心の部屋へと行った。

「どうしたのよ、凌生。」

心はベッドの上にあったクッションを抱き締めながら凌生にたずねた。

コンコン。

「心?開けるわよ?」

そう言って心の母親はお茶とお菓子をのせたおぼんを持って入ってくると「ごゆっくり。」と言って出て行った。