「心っどうしたのっ?!」

美紗が聞く。

「そろそろ彼氏欲しいな…って思って。」

心はゆっくりと答えた。

その日以来、心は美紗達といても彼氏の大賀郁人(おおがふみと)に呼び出されると、輪をぬけるようになっていった。

郁人も空手をやっていると聞いた。

全国大会で優勝したこともあるという。

ある日、いつものように4人で帰路を歩いていると後ろから声がした。

「心っ!!来いよ!!」

「ごめん。郁人が呼んでるから行かなきゃ。」

そう言って、歩いてきた道を引き返していった。

「心大丈夫かなあ…」

口を開いたのは美紗だった。

「付き合うの初めてだしな…。」

凌空が言うと、すかさず凌生が口を開いた。

「心は好きなのかよ…」

凌生の言葉に自然と空気が重くなる。