私達は学校では芸能人的存在になっていた。

出会えば握手やサインを求められたりすることもあった。

先生達も私達が勉強を外さないせいか、何も言わなかった。

そんな生活からか、私達は部活動には所属せず、一心不乱に空手をやっていた。

私達4人はいつも一緒だった。

そんなある日、4人は帰宅しようと教室を出た。

「あのっ…!!」

後ろから声がしたので4人一斉に振り返ると男の子が立っていた。

「あの…橘さんに話があって…。」

そこまで聞くと、美紗・凌空・凌生は心に合図を残してその場を去った。

下駄箱で待っているとしばらくして心が走ってきた。

「何て振った?」

凌生がいつもの口調で聞く。

美紗と凌空もいつものことだ…と思ってあえて違う話題に変えた。

「今日、服見に行きたいな。」

美紗がそう言うと凌空が答えた。

「えっ?!今日は靴見に行く約束じゃん!!」

いつものように2人が言い合っていると心が言った。

「付き合うことにしたよ。」

美紗・凌空・凌生が静まり返る。