4人は日を増すごとに仲良くなっていった。

今年もまたクリスマスが…心の誕生日がやってくる季節となった。

今年の心の誕生日はちょうど空手のクリスマス会と重なっていた。

今年は凌生も交えて4人で一緒にいた。

去年、心の心臓が止まったなんて嘘のよう。

心はこんなにも元気だから。

年が明けて、卒園式がすぐにやってきた。

卒園式の日、心の母親は心の担任の先生の香山潮莉(かやましおり)のもとにいた。

「先生、3年間心を見ていてくれてありがとうございました。」

「いえ。去年はどうなるかと思いましたが、今生きていてくれてよかったです。」

2人の視線は自然と砂場で遊んでいる心の方へいった。

心は美紗と凌空を連れ、潮莉の元へきた。

「「せんせえ、3ねんかんおせわになりましたあ!!」」

3人の言葉に潮莉の目から思わず涙があふれる。

「みんな、小学校に行っても忘れちゃいけないことは?」

「「そばにおともだちがいること!!」」

「よくできました。みなさん、さようなら。」

「「さようなら!!」」

潮莉が顔を覆いながら促したので、潮莉に一礼すると、心の母親は心達を連れて幼稚園を去った。