心が目覚めたのは1週間後。

心は徐々に回復していった。

心の心臓は1度止まったことで強さを増した。

同時に心もまた、強くなっていった。

時は過ぎて、心達は幼稚園年長を迎えた。

3年間クラスが一緒ということもあり、美紗と心と凌空はいつも3人でいるようになった。

その年の夏、凌空は空手を始めることを美紗と心に話した。

「りっくんほんと~?」

心がたずねた。

「うん。おとうさんが、おとこのこはつよくないとだめっていったから。」

「ならこころもやる。こころもつよくならなきゃ。」

「こころはだめ!!」

美紗の声が響く。

「こころはしんぞうよわいから!!」

心はその日、不機嫌なままだった。

家に帰って母親に話をした。

「まま、りっくんからてやるんだって。」

「そうなの。りっ君、きっともっとかっこよくなるね。」

母親は洗濯物をたたみながら返事をする。

「こころもね、からてやりたいな。」

母親は手をとめると心を見た。

「お母さんはいいと思うわ。お父さんが帰ってきたらまた話しましょう。」