心との面会が許されたのは、事故から3日後の心が目を覚ました日だった。

「先生、心ちゃんが目を覚ましました!!」

付き添っていた看護士が医師に告げた。

その日の午後、担任の先生と美紗と美紗の母親と心の母親が心の病室に訪れた。

「こころ!!」

一番先に声をかけたのは美紗だった。

「みさ…。」

緊急手術を終えた後の心の声は弱弱しかった。

「みさ、こころのことしらなくて…ごめんね。」

「いいよ。こころもつよくならなきゃね。」

そんな2人を見て、母親達が入ってきた。

「心~元気?」

「あ、まま!!」

「こんにちは。心ちゃん。」

「みさのまま。こんにちは。」

しばらくして担任の先生がやってきた。

夕方まで楽しい時間を過ごしていた。

「そろそろ帰らしても大丈夫ですよ。」

心の母親が声をかけたその時だった。

「んっ…!!」

心が胸を抑えて苦しみ出したのだ。

「心っ?!」

「私、先生呼んできます!!」

担任の先生は医師を呼びに行った。

心の容態は悪くなる一方だった。

次の瞬間、心は動かなくなった。

ピー…

部屋に響く心停止音。