キーンコーンカーンコーン・・・・



多分、予鈴だと思う。
だけど目の前には化学実験室。



2-C??どこ??
体育館??どこ??



紅 魅亞、高校2年生。
一学期の始業式。
毎度お約束、迷ってます。



「あと5分しかない・・・。どうしよ~っ・・・!」



ガララッ



迷っていると、化学実験室の扉が開き、白衣を着た髪の長い綺麗な男性教師が出てきた。



「ほら、もうHR始まりますよ・・・って、あぁ、紅さん?」



教師はニコリと笑う。
手には書類と黒い鞄。



あ・・・確か、あたしのクラスの担任になった佐々岡先生・・・・?



「あの、教室がわからないんですけど・・・・」



「うん、教室は西校舎だよ」



∑逆っ! どおりで見つからないはず・・・・。



「多分、一人で教室にいっても戸惑うだけだろうから私が一緒にいくよ。ついておいで」



「はい、すいません・・・」



カツカツと革靴をならし、髪と白衣をなびかせて歩く佐々岡先生の姿は本当に綺麗だった。