「すまない…

辛い想いをさせたのですね…」

震えるお声でそう仰いますので、

「何のことでしょう…」

ととぼけました。


「尚侍の懐妊のことです…

私は、最初に身ごもるのはあなたであって欲しかった…」


ズキン


―そう、私は…もったいない程の東宮様のご寵愛を一身にあつめていながら、子を身ごもれなかった…