御寝所に入ると、いつもと変わらない優しい笑みをたたえている尚仁様が座っていらっしゃいます。

「おいで、」

言われるがままに近寄ると、尚仁様の脚の間に座るように促されました。

尚仁様に背を向ける形で、すっぽりと収まっています。


「なんですの?」

フフッと笑って言うと、

「女御、一の宮は可愛いですね。」

と脈絡の無いことを仰られました。

「それは、ご自分の御子を愛しくなくては困ってしまいます。」

と、冗談めかしてお答えしました。