優しく下ろされて、

「もう…女房達が見ている前で…」

と不平を言うと、軽く頬に口づけて笑っていらっしゃいます。


「久しぶりですね、女御。

会いたかった。」

私の髪を撫でながら、愛しそうな眼差しで仰る尚仁様に恥ずかしくなって、

「まぁ、もう若宮にしかご興味がわかなくなってしまわれたのかと思っていましたわ。」

と憎まれ口を叩くと、

「なんと、実の息子相手に嫉妬しているのですか?

つまらないことをなさるのですね。

人々の前でも若宮は可愛がれるが、あなたのことは今しか愛せない…そうでしょう?」

余裕綽々で仰るので、悔しくなって

「では、愛してくださいましな。」

と言ってやると、にっこりと微笑んで

「仰せのままに。」

と、押し倒されました。