夜が更けてきて、若宮が眠くてぐずり始めたので少納言が連れて出ていきました。

見えなくなるまで手を振って見送った尚仁様は、こちらを振り返ると

「さて…」

と仰って私を抱き上げます。


「きゃっ」

驚く私を無視して、そのまま私の御帳台に入ってしまわれました。

女房達は、クスクス笑って下がったようです。