「あッ委員長また此処にいたんだぁ」

「次の時間の席替えだってさ。委員長来ないと始まらないんだよぉ。早く来てね」


来たのはクラスメイト。

仲は悪くはない。
良くもないけど。


私にとってクラスメイトなんてそんなもの。


ただの知り合い。


自分の評価を良くするために利用するだけの人たち。


同世代の奴らなんてただの馬鹿だ。



自分以外の奴らとつるんで強がってでも1人じゃなんも出来ない。

馬鹿らしい。



でもそんな奴らに思ったことなんていえない。

だって私は誰とでも仲がいい
委員長だから。


周りの評価が絶対の今の社会、誰が人に本音を言うの?


そんなことで私の印象に傷でもついたら将来大変じゃない。



だから内心と違うことを口にしてニコニコ笑ってればいい。

そう思っていた。

そうすればクラスメイトも先生も親もみんな喜ぶじゃない。

そうすれば将来も大丈夫でしょ?


そう思っていた。



風が吹いた。
スカートを揺らした。

さっきより強い風。


『きぃ...』


錆び付いた音。

今の風で開いたのだろうか。


ふと扉に目をやった。

風ではなかった。