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「聞いた?佐藤さん家のお隣、
交通事故に巻き込まれたんですって

なんかご主人と娘さんが横断歩道歩いてたらいきなり...

飲酒運転だったらしいわよ
最近多いわよね〜

えっあぁ娘さんは軽い怪我ですんだそうよ


それにしても





可哀想よね」



分からないままそう言われた

ママは一晩中泣いてた

パパは帰って来なかった


ママに笑顔になってほしくて絵を描いた



「そうよね、パパの分まで頑張んなきゃね」


パパのあとりえで絵を描く

私の絵を描く



やっと描けた、私の絵



でも売れなかった


「パパの影響かななんか最近調子悪いね」


そんなことない

いつもより上手く描けてると思った





そして私は気付いた

いつもと違うこと



それはパパからの助言がないこと



パパは知ってたんだ



どんな絵がみんなに好かれるか

みんな喜ぶにはどんな絵を描けばいいのかを


自分の絵を描くんじゃなくて

みんなに好かれる絵を


描かなければ売れないんだ


パパはそれを知っていて
私に助言したんだ






そっかぁ...




じゃこれからは可哀想な子にならなきゃ

それでいい子になって...


演じなきゃ





絵の具も筆ももうしまい込もう
純粋だった私と一緒に...


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