「それで、交渉は、うまく言ったのですか?」


 悠人くんが隊長に聞いてくる。


 ドリル星人との対話。


 俺たちは向こうの世界を全滅させたわけではなく、あくまでごく一部。過激派のテロリストを壊滅させただけに過ぎない。


 それでも、彼らからしてみれば異世界からの進入。


 上手に対話を進めなければ、今度こそ全面戦争の危機になったのだが・・・。


「えぇ・・・わずか1時間で決着が付いたらしいわよ。」


 見事にソレは避けられたらしい。


「早っ・・・そんな凄い人が・・・?」


 由良くんがソレに続くが・・・。


「えぇ、『話術師フェイス』って言うのだけどね・・・一切表に顔を出さない、凄い会話の天才がいるのよ。」


「げぇ!隊長、話術師とも知り合いだったのですか?」


「ホントに底がしれねぇ~・・・」


 この会話を聞いて、二人はますます隊長に恐れをなしたらしい。


 あとに聞いた話だが、話術師というのは、裏の世界ではその名を知らないほどに力と権力を持った存在らしい。


 その姿を一切見せず、言葉一つで世界を動かすほどの力があるとか・・・。