弟のウィリアムは危険人物でもなんでもないので、離宮から出すべきだというエレインの主張は、条件付きで認められることになった。
ウィリアムの傍には婚約者である私が付き添うこと……そして、もし彼が何かを仕出かしたならば、姉エレインが全ての責任を取ること。
エレインは迷わずに、その条件を受け入れた。
そして、私ととも離宮を出たウィリアムは、物々しい衛兵たちを引き連れて移動することのない廊下に戸惑っているようだ。
特別な機会でもなければ許可なく出られなかった、今までが異常だったのだけれど……。
「ウィリアム様。こうして、自由になった気分は、どうですか……?」
私が何気なく言った質問に、隣を歩くウィリアムは少し考えていた。
「自由か。ああ。条件付きの自由ではあるが、姉上が俺に与えてくれたものだ。大事にしたい」
頭上に広がる青い空を見て、ウィリアムがしみじみと呟いた言葉に、私は何も言えなくなった。
……産みの亡き母の身分が低かっただけで、それだけで、彼は世間から隔離されて、ずっと孤独に生きて来た。
色々と思うところはあるだろう。
ウィリアムの傍には婚約者である私が付き添うこと……そして、もし彼が何かを仕出かしたならば、姉エレインが全ての責任を取ること。
エレインは迷わずに、その条件を受け入れた。
そして、私ととも離宮を出たウィリアムは、物々しい衛兵たちを引き連れて移動することのない廊下に戸惑っているようだ。
特別な機会でもなければ許可なく出られなかった、今までが異常だったのだけれど……。
「ウィリアム様。こうして、自由になった気分は、どうですか……?」
私が何気なく言った質問に、隣を歩くウィリアムは少し考えていた。
「自由か。ああ。条件付きの自由ではあるが、姉上が俺に与えてくれたものだ。大事にしたい」
頭上に広がる青い空を見て、ウィリアムがしみじみと呟いた言葉に、私は何も言えなくなった。
……産みの亡き母の身分が低かっただけで、それだけで、彼は世間から隔離されて、ずっと孤独に生きて来た。
色々と思うところはあるだろう。



