延々に逆らえず縛られる地獄から抜け出すために、ここで勇気を出すべきだと……そう思ったのかもしれない。
そして、湯浴みをして着替えまで済ませた私が、案外早くにウィリアムの元へ行けば、居間のソファに座り本を読んでいた彼は本を閉じると嬉しそうに微笑んだ。
「おかえり。モニカ」
「……はい。ウィリアム様」
「あの件は、一体どうなったんだ?」
「ダスレイン大臣は王より叱責を受けての謹慎中なのに、このような罪を犯したからにはと……ダスレイン公爵家全体に、捜査の手が入ることになりそうです」
「ふーん。まあ、自業自得だな」
ウィリアムは肩を竦めて、私はそれに苦笑するしかなかった。
最近、離宮でウィリアムの身の回りを世話をしているのは、オブライエン一家だ。
毒殺の危険があるという理由で、食事なども全て彼らが管理している。
それに、このような場所で王太子が虐待されているなんてと現状を知って憤り、これまでに居た使用人はエレインの息が掛かった者以外、全て辞めさせたようだ。
そして、今はオブライエン一家の幼い末娘キッテンが、可愛いメイド服を着て私にお茶を運んでいた。
そして、湯浴みをして着替えまで済ませた私が、案外早くにウィリアムの元へ行けば、居間のソファに座り本を読んでいた彼は本を閉じると嬉しそうに微笑んだ。
「おかえり。モニカ」
「……はい。ウィリアム様」
「あの件は、一体どうなったんだ?」
「ダスレイン大臣は王より叱責を受けての謹慎中なのに、このような罪を犯したからにはと……ダスレイン公爵家全体に、捜査の手が入ることになりそうです」
「ふーん。まあ、自業自得だな」
ウィリアムは肩を竦めて、私はそれに苦笑するしかなかった。
最近、離宮でウィリアムの身の回りを世話をしているのは、オブライエン一家だ。
毒殺の危険があるという理由で、食事なども全て彼らが管理している。
それに、このような場所で王太子が虐待されているなんてと現状を知って憤り、これまでに居た使用人はエレインの息が掛かった者以外、全て辞めさせたようだ。
そして、今はオブライエン一家の幼い末娘キッテンが、可愛いメイド服を着て私にお茶を運んでいた。



