【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。

「確かに……彼らとて暗殺を生きるための仕事として請け負っています。もし、護衛の仕事で生きていけるのなら、それにこだわる必要はないはずです。どう思って居るのかは、彼ら本人に聞くしかわかりません。とにかく、私たちは護衛の仕事を打診してみましょう」

「わかった……あの、モニカ。お前……たまに、物凄く怖くならないか」

 少々怯えた様子のウィリアムに、私はしまったと口に手を当てた。

 仕事に関することは情熱的に語り過ぎて、引かれることがままったのだ。

「まあ……そんなことありませんわ。うふふ」

 今ここでウィリアムに『多くの人員が歯車となる組織の管理職は、嫌われる覚悟もなく、優しく甘いだけでは務まらない』などと説明する訳にもいかず、私は曖昧に笑うしかなかった。

 今、ここに居る私は管理職など務めたこともない、17歳の貴族令嬢なのだから。


◇◆◇


「えっ……ここ、なのか?」

 ウィリアムはオブライエン一家の住むという、王都地下へ繋がる通路へ降りる金属製の扉を見ていた。