超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

次の日の朝、言われた通り、アンセムは8時にミユウの部屋まで迎えに行った。

「おはよう」

部屋から出てきたミユウは、真っ白なシフォンのワンピースを着て、髪は1つに束ねていた。
朝の日差しを浴びて、まるでミユウ本人が輝いているかのような美しさだ。

「おはよう」

「じゃ、行きましょう」

ミユウはアンセムの腕に自分の腕を絡めた。

「いいのか?」

アンセムはリーオンに申し訳なくて仕方がない。

「これくらいしないとリアリティがないでしょう?」

イタズラっぽく笑うミユウ。
2人が歩いていると、皆が振り返って見る。それぐらい絵になる2人なのだ。
更に、別れたはずの2人が腕を組んで歩いている姿は、衝撃的なのだろう。
食堂に入ると、一瞬ざわめいたのがわかった。

「すごい反応だな…」

さすがのアンセムでも、周囲の注目に一瞬たじろぐ。

「うふふ。面白い」

ミユウはこの状況をすっかり楽しんでいるようだ。

「何食べる?」

「いつものにしようかな」

「取ってくるから、適当に座っててくれ」

「ありがとう」

アンセムは食事を取りに、ミユウは座る席に移動する。
それぞれに皆が注目した。
注目されるのが慣れっこのアンセムでも、今日はさすがに視線が気になる。
ミユウは何食わぬ顔で、窓際の席に座った。

アンセムはミユウのためにパンのセットを、自分には和朝食セットをとって、ミユウのいる席まで運んだ。
ミユウが座っている席は、以前よく2人で使っていた席なので、広い食堂でもすぐに見つけることができた。