−−−俺の為?

−−−そいつと付き合いたいから?



アタシは何も言えなくなって黙ってしまった。
言葉を探すけど…
簡単には口に出せなくて…。


哲平;もし,俺の為なら…あきなの気持ちが落ち着くまで、今のままでいいから。別れないで…。
そいつと付き合うのに…俺が邪魔なら………


電話越しに哲平の鳴咽混じりの声が聞こえてきた…


あきな;…ごめん!哲平。邪魔とか…そんなんじゃないの。でもアタシ、結局器用に出来なくて…これ以上、続けた方が,お互いもっと辛くなる…


哲平;…勝手だな。


そうだね…,アタシは
結局何よりも自分が大切なんだ…。


あきな;うん…,超嫌な女…


哲平;俺にとっては…最高な女だったけどな…


あきな;なんで?


哲平;わかりやすく言うと…、『どうしようもない俺が、初めて大切に想える存在を見つけられたから』


あきな;哲平は…どうしようもない奴じゃないじゃん!!


哲平;…なんつーか,俺、兄貴と違って頭悪かったから親からも期待されたりしなくて。学校でも…友達はいたけど…いじめられたりしたし、
俺なんて居なくても同じだって…ずっと思ってて。


アタシは2年以上付き合っていたのに…哲平の心の闇と傷を聞くのは
初めてだった。。。


哲平;そんなとき…あきなに出会って、すごい無邪気で…俺なんかに頼ったり甘えたりしてくれて。あきなの為に頑張ろうって思えたから…
あきなの為に、俺が存在するんだって思ったんだ…だから…!!


−−−側に居てくれないか−−−