運転手;お客さん?着きましたよ!


その声で我に返る。


あきな;あ…すみません。


そう言いながら、手に持っていた、仁君からもらったお札を差し出す…


運転手;…すみません〜あと520円足りないんですが…〜。


あきな;?!あ。はい!すみません!!


アタシは自分の財布から、足りない分を出してタクシーを降りる。


家に入ると、お母さんが、あれ?っと言う顔をした。


あきな;…ただいま。


母;お帰りなさい。今日は哲平君と会ってたんじゃないの?車の音,しなかったから。


あきな;ぅん…哲平、仕事が片付かなくて会えないって言うから。恵と遊んで来た…!!


あらそう…〜哲平君も大変ねぇ〜

と言う母の声を背中に聞きながら…

自分の部屋へと階段を登って行く。



部屋に入ると携帯を取り出し、


『家に着いたよ、今日はありがとう』


とだけ、


仁君にメールを送った…。