−−−金曜日−−−


街は気の早いクリスマスのイルミネーションで彩られている中、


仁君との約束の居酒屋へ向かう…


着くとまだ待ち合わせの時間まで30分もあった。


どこにでもある、気軽に入れるチェーン店の居酒屋だけど,


さすがに女の子1人で入る気にはなれず…


店の前の植え込みに腰を下ろしてタバコに火をつけ、仁君が来るのを待った…


約束の時間になったとき、アタシの携帯がなった。


!!!


着信は哲平から。


アタシは仁君からの電話だと思い、反射的に通話ボタンを押してしまったから、


哲平からだと気付いても…通話ボタンを押してしまった今、話すしかなくなってしまった。


哲平;あきな?外?課題は?


あきな;あ…あぁうん。今、資料を借りに、友達んとこに行くとこ…!!哲平は仕事終わったの?


哲平;うん、今終わったとこ。


あきな;そう…お疲れ様。


哲平;ヒマだし、友達ん家から、あきなん家まで送ろうか?友達ん家ってどの辺?


そう来たか…!!!


あきな;うぅん、だ…大丈夫!!遅くなるかもしれないし。


哲平;…遅くなるなら尚更だろ?危ないし、少しでも、あきなの顔…見たいし…。


あきな;え…本当にいぃよ!大丈夫!!たまにはパチンコでも行って来たら?


哲平は昔はパチンコ好きだったらしいが、アタシと付き合い初めて,パチンコにお金を使うくらいなら、アタシと美味しいものでも食べた方がいぃ!と言って、辞めていた。


哲平;…あきながそんな事言うの珍しいじゃん?なんかおかしくない?…言いたくないけど…本当に課題?


あきな;…課題だよ!課題。アタシだって哲平に会いたかったけど、仕方ないじゃん!!アタシが今まで,金曜日に会えないって言った事、あった?ないでしょ?なのに、疑われなきゃいけない訳?パチンコにって言ったのは、アタシのせいで会えないんだから、息抜きでも…って思って言ったんだよ!!!


アタシは勢いよく、
尤もらしい言い訳をスラスラと言った…


どうする?気の弱い哲平なら、ここで引くでしょ!?