この夏…


仁君と旅行に出掛けた。


近くの島への一泊二日。


カセットしかついていないレンタカーだったので、ラジオを聞きながら向かった。


ラジオからも、夏の曲が流れ、久々に穏やかな時間が夏の風と一緒に2人を包んでいた。


この島へは、お互い小さな頃,家族で旅行に来たことがあり、


海の幸が美味しいから!!


そんな理由ですんなりと決まった。


まだ術後3週間…


微量だけど出血もまだあって、


それでも仁君と泳ぎたくて水着を新調した。


島まではフェリーを使う。


『かっぱえ〇せん』を投げるとカモメが次々やってくる。


アタシ達は夢中になって餌を投げた。


仁;久々にあきなの笑った顔を見た。来て良かったな!!


あきな;アタシ、いっつも笑ってたけど??


少しは気にかけてくれてたんだね…,


仁;あきなの顔、見れなくて、帰らなかったりしたんだ。


あきな;…うん。誰と居たの?


仁;まぁまぁ!!悪いことはしてないからって事で、写真でも撮りますか!

あきな;もう元のアタシに戻るから、千穂とは別れてね。


仁;…千穂って…あ…あぁ!!千穂はちげーよ!先輩の彼女だし。


あきな;先輩の彼女と2人でプリクラ撮るの?千穂ラブって書いて??


仁;そんなの撮ってねーよ!先輩に半殺しにされるし!


あきな;ふ〜ん。


仁;…帰るか。


あきな;…どっちでも。


仁;言いたいことあるなら言えよな!!