朝起きると、なんだか身体が重くて動けなかった。
きっとまたすみれとゆきが私に乗っかっているんだ。
ゆきはいつも私にくっついて寝ているけれど、すみれもなんだかんだ、起きると私のそばにいてくれているんだ。
そこがまたすみれのかわいいところだ。
そう思いながら、寝返りを打つ。
まだ寝ていたい気持ちがありながらも、私はしぶしぶ目を開けた。
すると目の前に驚くほどにきれいな顔があって、私ははっと息をのんだ。
紫がかった黒髪に、長い睫毛。鼻筋もすっとしていて、整った顔立ち。
「男の、子……??」
次の瞬間、私の頭は一気に覚醒した。
「ええええっ!!?だ、だ、だれですかっ!?!?!」
私の大きな声を聞いて、眉間にしわを寄せる男の子。
すると今度は反対のほうの布団がごそりと動く。
「…なあに?どうしたの~?大きな声出して……」
目をこすりながら起き上がってきたのは、真っ白な髪に透き通るくらいに白い肌の、これまた男の子だった。
黒髪の子に負けず劣らず、すごくきれいな顔立ち。
私はまた驚いて、目をぱちくりとさせる。
この人たち、一体だれ!?
ふたりとも、私と同い歳くらいに見えるけど……。
「だ、だ、だれなのでしょうか……」
おそるおそる尋ねる声は、かなりか細くなってしまった。
だるそうに髪をかく黒髪の男の子。
「なに言ってんだ?」
「ひっ!」
男の子のきつい口調を注意するように、白髪の子が優しく言う。
「だめだよ、すみれ。そんな言い方したら。桃花がびっくりしちゃうよ」
「は?別にいつも通りだろ。ゆきこそ桃花に甘すぎ。大体桃花がびびりすぎなんだよ」
「え?え?どうして私の名前……」
それにすみれ?ゆきって?



