すみれとゆきと過ごして、数日が経った。
最初は戸惑うことも多かったけれど、少しずつ慣れて、今ではにぎやかな毎日が楽しくなってきた。
今日最後の授業は国語だった。
この授業が終われば、図書室に寄れる!と思うと、やる気も出るよね。
今日はどんな本を借りて帰ろうかなぁ…。
けれどこの最後の授業の課題が、私の心にずしんとのしかかる。
「それでは、こちらの作文は宿題とします。作文のテーマは、『将来の夢』。自分が将来、どんな仕事につきたいのか、作文用紙三枚にまとめてきてください。授業で発表もしてもらいますからね」
配られた作文用紙と、先生の言葉に私は固まる。
『将来の夢』の作文……?
それは今まさに私が悩んでいることだったから。
放課後はいつもように図書室に寄った。
今日は伝記ものにしよう!と、本を持って貸し出しカウンターに行くと。
「「これ貸し出しをお願いします」」
だれかとまるまる声が重なった。
思わず声の方を見ると、おさげの可愛らしい女の子の姿が。
「あ、す、すみませんっ…先にどうぞ……」
「あ、ありがとうございます」
私は女の子に先をゆずって、無事本を借りて帰宅した。



